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コッカ2016 6月展示会レポート

6月1日、2日、KOKKAの2016年6月展示会が開催されました。

「今回は、アートディレクターや空間デザイナーと手を組んで、テキスタイルの魅力を引き出した新しい提案をします!」と聞いていたので、わくわくしながら展示会場へ。

会場になったのは、渋谷のspace EDGE。1961年に倉庫として設計された古いビルです。
ここからして、いつもと違います。
ガレージのような入り口には、がらんと高い天井から洋服と布がたなびくクールな演出が!
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今回の展示会のメインとなるのが、3min.(スリーミニツ)。
spoken words projectのデザイナー、飛田正浩さんとKOKKAのコラボレーション企画です。
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3min.って、3分クッキングみたいですね。じつはそんなコンセプトなのだそう。
「ほしい服を、手軽に簡単に」。
3分で服が作れちゃうくらい、簡単にシンプルに作ろうよ、というのが、このシリーズの願い。
まさに「3分ソーイング」ですね。

会場には、そんな「3分ソーイング」をイメージさせるインスタレーションが。
長机で作業する女性たちは、分刻みで作業が進んでいく様子を再現しています。0.6min、1min.と書かれた壁のボードが、時間の経過を表しています。
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この3min.は、布だけでなく、洋服のパターンも一緒に打ち出しているのが特徴です。
会場で配られた大きなパンフレッドには、直線仕込みのワンピース、ブラウス、スカートの着例写真。そしてその裏側には、なんと「実物大型紙」が。ちょっと感激♩
布とパターンが入っているキットも販売するようです。
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「ほぼ直線で縫えるようにしています。できあがった服をご覧になったお客様からは、なんとなく『和』を感じるなんていう声もありました」とデザイナーの飛田さん。
そういえば、着物はすべて直線裁ちですものね。

「自分が縫うことで、ものを大切にするという気持ちになれたらと思います。ゆとりとしての針と糸、という感じですね」(飛田さん)

3min.の第一弾として今回発表したのは、5柄。

こちらは「街」。
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整然と区画整理された都会、その喧噪を俯瞰したイメージなのだそう。
透明感のある線と線を重ねることで生まれるリズムが、街角の楽しさを表現しています。
生地は綿100%、しっかりとした厚みと張りのあるリクライドクロスの起毛。ボトムスやコート、バッグに最適なのだとか。

そして「河原の石」。
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見渡す川面、水の流れる音、揺れる日差し……。そんな川沿いの風景を河原石の表情を借りて、水彩絵の具で表現したデザインです。
とても大きな柄なので、切り取る場所によって、表情が様変わりするのも楽しめます。

十字模様がランダムに並んでいるのは「バイク」。
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バンダナをしたバイカーをイメージしたそう。
配置された斜線を囲んで切り取ればそのままバンダナになるといった遊び心も。

3min.のロゴとともに会場正面に飾られているのは「壁」。
時の流れのなかで、味わい深い色に変わっていった壁の美しさを様々な質感で表現した柄です。
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手前にある柄は「午前中」。ユニークな名前ですね。
朝目覚めて、今日の天気はどんなかなあ……と眺めたときの風景をイメージしたそう。

この3min.
6/1にはオフィシャルサイトも立ち上がりました。
そこにはこんなメッセージが綴られています。

「できあがった服を買うのではなく、自分で作る。
それは、料理を買って食べるのではなく、自分で作って食べる時のおいしさと、似ているかもしれません。
このスパイスを入れてみようかな、この焼き方はどうだろう、こんな盛り付けもありかもしれない」

たくさんの可能性を秘めた3min. コッカファブリックのtextile story のコーナーでもご紹介していきますので、お楽しみに!

展示会では、まだまだたくさんの新柄が発表されていました。
続きは来週のInspirationのコーナーで引き続きお伝えしますね。