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ラミネート加工のクラッチバッグ

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 初夏を思わせる暖かい日があったかと思うと、「春の嵐」といえそうな悪天候の日が交互にやってくる春の始まり。冬の”巣ごもりムード”から抜け出して、外に飛び出したくなるこの季節は、ハンドメイドもバッグやポーチなどのお出かけアイテムが人気です。
 なかでも、3月20日のcraft&sewing でご紹介したクラッチバッグは、人気ブロガーの猪俣友紀さん製作ということもあり、たちまち本サイトの人気記事にランクイン。このときに使った生地は、「アリス・イン・ワンダーランド」の「Alice」と「Rabbit」。片面は、植物柄のなかに、さりげなく物語に登場するキャラクターがシルエットになっている大人っぽい生地「Alice」。そしてもう片面は、ドットの中に時計を持ったウサギがところどころにお目見えする「Rabbit」。2つの生地が楽しめるおしゃれなクラッチバッグ、自慢げに持ち歩きたいから、ファスナーつけも頑張っちゃうゾ・・・なんて、手作りのモチベーションもぐっとあがりそうな気配。
 じつは猪俣さん、同シリーズのもうひとつの柄、trumpでもクラッチバッグを作ってくれたんですよ。写真がその作品です。こちらはB5サイズ。よーく見ると、この生地、表面がテカテカしています、そう、こちらの生地は同シリーズのラミネートバージョンなのです。ラミネート加工とは、生地の表面をうすくビニールコーティングすること。コーティングしたことで、端処理や水通ししなくて縫えるのが特徴です。

「ラミネートを使用する際の注意点は、ミシン目を粗くする(通常2、5程のものを3〜3,5に)ことや、ミシンの針の太さを変えて#14にすること。そして待ち針を使えないため、強度のあるクリップなどが待ち針の代わりの役目とな
るので、準備が必要です」(猪俣さん)

どうして待ち針が使えないかというと、生地に穴があいてしまうからなのです。普通の布だったら全然目立ちませんが、ラミネート加工の生地だと穴が目立ってしまうのですね。

さらに、ミシンで縫うときのアドバイスも。
「貼りついて縫いにくいビニールコーティングの場合は、ミシンパーツを”テフロン押さえ”に変えて使うといいですよ。ない場合は、裏面を滑りやすいマスキングテープなどで覆ってしまうなどの技があります。裏面を縫う場合はあまり必要ないですが、ファスナーの仕上げのステッチにビニールの表面を縫うときに必要になってくる裏技です」(猪俣さん)

生地によって、ミシンの押さえ金も変えたほうがいいのですね。なるほど。縫うときにひと手間かかるラミネートですが、手間をかけても作ってみたい人が多いのは、その使い勝手のよさ。
「ラミネートの使い心地は、雨の日に多少濡れても中に浸透しないこと。防水で丈夫であることがあげられます」(猪俣さん)

布なのに、防水で丈夫なんて素晴らしい! バッグはもちろん、テーブルクロスやランチョンマットなどにも活躍しそうですね。ラミネートをまだ使ったことのないという方は、この春ぜひ、”ラミネートデビュー”して、ソーイングの幅を広げてくださいね。