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Eri Shimatsukaさんの初個展「森のなか」

今月はじめにtextile storyでご紹介したPIKKU SAARI(ピックサーリ)、覚えていますか? 北欧フィンランド在住のEri Shimatsuka(島塚絵里)さんが手がけたテキスタイルです。PIKKU SAARIのデビューに合わせて、ただいま開催中の島塚さんの初個展に行ってきました。
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個展の会場は、東京・代々木上原のCASE gallery。こちらはコッカプリントテキスタイル賞の授賞式でもお世話になったギャラリーです。

会場は、”白樺の木”に見立てたポールを天井から吊り下げた大胆なレイアウト。1つ1つの”木”には、島塚さんがマリメッコに提供したプリントデザインの洋服がディスプレイされています。”白樺の木”の大役を仰せつかったのは、PIKKU SAARIのSAARISTOですね!
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「8年間の暮らしの中で感じたフィンランドらしさを東京に届けたいー」。そんな思いで個展の内容を練ったという島塚さん。「フィンランドにあって、東京にないものって何だろう。そう考えたとき、『森』、『静けさ』、『ひとり』の3つが浮かびました」(島塚さん)
個展のテーマになった「森」を主軸にコンセプトを具体化。会場構成を担当したのは、島塚さんの知り合いでもあり、マリメッコの店舗ディスプレイなども手がける設計事務所imaです。かくして”白樺の木立”が、フィンランドの軽やかな風とともに東京に現れました。

「静けさ」と「ひとり」は、ドレッシングルームのような小部屋スタイルで、密やかに壁際に出現。
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「2つの部屋は、フィンランドの夏と冬です。同じ柄で配色だけを替えました。夏の部屋には鳥のさえずりの音楽を、冬の部屋には音を遮断できるように耳栓とヘッドフォンを置きました」(島塚さん)

こちらは冬の部屋に入って、中から“壁”を見た様子です。
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この夏の部屋、冬の部屋のテキスタイルの原画スケッチはこちら。会場案内やDMにも使われました。
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こちらはヘルシンキのデザインフェア、ハピターレで発表した「もみの木のある場所」。「モヘアを使ったジャカード織りのタペストリーは冬、リネンのタオルは夏、こけもものスカーフは秋、苔のラグマットは春といった具合に、フィンランドの四季を表現しました」(島塚さん)
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そして、壁にはPIKKU SAARIの全配色のパネルをディスプレイ。新商品カタログのためにヘルシンキで撮影した写真も一緒に。
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壁右側には、フィンランドの森でみかける動物たちを描いたイラストレーションを展示。こちらはカレンダーとして会場で発売されています。
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もちろん、PIKKU SAARIの布も、サンプル作品と一緒にこちらの会場にお届けしています。手前のトレイは、PIKKU SAARIの布をはさんで作ったもの。
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個展は10月25日まで開催。東京の喧噪を逃れて、フィンランドの風が流れるやすらかな空間、ぜひ訪れてみてくださいね。

Eri Shimatsuka Exhibition 2015 森のなか 

開催期間 〜10/25(日)まで 12:00〜21:00(会期中無休)
会場:CASE gallery
東京都渋谷区大山町18-23 コートアネックス大山町1F
TEL: 03-5452-3171