bookmark_borderwanderlust(ワンダーラスト)

旅の思い出をテーマに

wanderlustという言葉を聞いたことがありますか? ルーツはドイツ語。wander=さまよう、lust=願望で、「旅への渇望」といったところでしょうか。江戸時代の俳諧師、松尾芭蕉もあの有名な『おくのほそ道』で、「道祖神のまねきにあひて取るもの手につかず……」と語った、旅に出たい!という強い衝動ーそんな感じなのかもしれませんね。
さて、こちらの「wanderlust」、アメリカ人デザイナーのthomas knauer(トーマス・カウアー)さんのシリーズで、旅先は東北・・・ではなくて、イギリス。娘さんと一緒に旅したロンドンでの思い出がテーマです。キルト作家でもあり、モダンキルトの本も出版しているトーマスさん。このwanderlustの柄も、モダンキルト用に色の組み合わせが考えられているので、どの色をとっても色どうしがよく合うようになっています。バッグやクッションなど、簡単なパッチワークでもカッコよく仕上がるので、おすすめですよ。

fluttery JG50600-600 シーチング|綿100%
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ちょっぴりハードな感じのゆりの紋章柄ですが、その中に蝶を配置することで柔らかな印象を与えます。上品なデザインなので、形のしっかりしたバッグに仕立てたら、お出かけ用にもなりますね。

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布の作り手と使い手が集う場所 布博 in 東京 2016

布の作り手が一堂に会して自ら生地や製品を売るイベント、布博。このコーナーでも2014年の布博をレポートしましたが、今年は規模を大きく拡大。「布博 in 東京 vol.6」では80組を超える出展者が参加して大盛り上がり。布のほか、アクセサリーや刺繡、ニットの出展者も登場し、同時開催としてボタンや靴下もあったり……。まさに、布好き・手芸好きには楽しいことずくめのイベントでした!

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コッカファブリックでおなじみのデザイナーの面々も出展していましたよ。
上の写真でもひときわ目立っていたのでは、Törten(テルテン)のデザイナー、紙野夏紀さんのブース。紙野さんは第3回コッカプリントテキスタイル『inspiration』の大賞を受賞し、2015年2月、期待のニューブランドTörten(テルテン)としてデビューを飾りました。ちぎり絵を取り入れた制作スタイルで、独特の世界観を表現し、登場して以来、大人気に。この布博でその第2弾が披露されていました。

CINEMAというタイトルがつけられたこの布は、一幅の絵画のような美しい景色が広がっています。
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布いっぱいにストーリーを繰り広げるのがテキスタイルデザインの醍醐味であるならば、それを切り取って独自の世界が作れるのが製品の面白さです。同じ布でも切り取り方でこんなに印象が異なるクラッチポーチができるのですね。
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そして、こちらは古家悦子さんデザインのechino。やっぱり人気なのはカットクロスです。
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伊藤尚美さんのnaniIROのブースは、常に黒山の人だかり……。写真撮影もままなりませんでしたが、お客様の間をぬってようやく1カットゲット。こちらは大判ガーゼハンカチです。
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伊藤尚美さんの新刊『詩を描く』も販売。なんと布博限定で、カットクロスつきです!
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こちらは木下桃子さんデザインの「FABRIC CARAVAN BY YURTAO」です。
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あら、どこか見覚えのあるこのパンの布は……?
第4回コッカプリントテキスタイル賞で準グランプリを受賞した坂本あこさんではありませんか!
今年、東京造形大学テキスタイル専攻の大学院を修了する坂本さん、卒業後はデザイナーとして独立して活動するそうで、自身が大好きな食にちなみ「gochisou」(ごちそう)というブランドを立ち上げました。布博では布のほか、バッグやエプロンなどの製品も発表。斬新でユニーク、だけどどこか愛らしい……。坂本さんの明るい人柄が伝わってくるほのぼのとした空間でした。
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3/10(木)〜14(月)まで、東京・表参道の「スパイラルガーデン」で、東京造形大学テキスタイル専攻の有志卒業・修了制作展2016[TEQUILA]が開催中です。学部生、大学院生の力の入った作品が勢揃い。スパイラルガーデンの高い天井から布が飾られている様子は圧巻です。
写真は、坂本さんの卒業制作「yaso market」。
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次回のこのコーナーでは、坂本あこさんの作品を引き続きお届けしますので、お楽しみに!

bookmark_borderふわりと広がるシルエット。半円サーキュラースカートの作り方

サイズ:丈67㎝

テキスタイルデザイナー、木下桃子さんがデザインした「FABRIC CARAVAN BY YURTAO」を使ったスカートです。茎がまっすぐに伸びていく様子を描いた柄、「KUKI TO TANE」を、あえてバイアスの部分を多くとり、美しいシルエットのサーキュラースカートに仕立てました。合わせる服によって〝キチンとコーデ″もカジュアルコーデも自在に楽しめるのが魅力です。

デザイン・製作:あんりこ


使用した布: FABRIC CARAVAN BY YURTAO JG50720-1 (B)


材料:
□生地:110cm幅×2m
□ゴムテープ:幅3㎝をウエスト寸法分

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半円サーキュラースカートについて、あんりこさんにいろいろとお尋ねしました。
KF (コッカファブリック:以下、KF) 今回使った布の印象を教えてください。
綿麻キャンバスということで程よく厚みがあり、大変扱いやすい布です。厚み=ハリでもありますので、パニエいらずでふわりと広がります。

KF:作品についての特徴や工夫した点は?
基本はストライプ柄ですが、サーキュラースカートにすることで柄に動きが出ます。また、バイアスの部分が多く、落ち感のない素材でも美しいフレアが作りやすいため、ウエストゴムのスカートもワンランクUPするというわけです。

KF:実際に作るときのアドバイスをお願いします。
サイズ設定は一般的なM~Lですが、サイズ調整は簡単です。参考までにSサイズの方は、パターンのウエストラインの半径33cmを31cm~32cmにしてみてください。ウエストがゴムなので、最低ヒップが通るサイズは必要です。

KF:どんなコーディネートがおすすめですか?
サーキュラースカートは、フレアスカートやギャザースカートよりも大人っぽい形なので、簡単ですが〝キチンとコーデ″も様になります。逆に、カットソーやパーカでカジュアルダウンしても可愛いと思います。春気分をスカートから、いかがでしょう!

KF:あんりこさん、どうもありがとうございました!半円サーキュラースカートの作り方プロセスもあんりこさんに撮影していただきましたので、ぜひ、作り方シート(PDF)と合わせて参考にしてくださいね。

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bookmark_borderFABRIC CARAVAN BY YURTAO

旅で出会った景色や感動をつめて

今週ご紹介するのは、オリジナルテキスタイルで作る洋服とバッグのブランド、「YURTAO(ユルタオ)」のテキスタイルデザイナー、木下桃子さんがデザインした「FABRIC CARAVAN BY YURTAO」。
 色んな国の色んな布を見るためにたくさん旅もしてきたという木下さん。このシリーズには、今までの旅で出会った景色や感動をつめたそう。
「民族衣装や民族布の美しさは、例えば花嫁衣装として何年もかけて糸をつむぎ、染めて、織って、刺繍して一枚の布を作るように、資本主義の世の中では到底作れないような、かけた時間の多さ、手数の多さからくる美しさがあります。そして、母から子へと受け継がれてきた伝統の文様や様式があります。文様は彼らが暮らす自然の中から生まれたものです。
 国や地域を問わず、太古から人々は自然から受けたイマジネーションを柄としてテキスタイルに写してきました。それらは普遍的で力強く、今よりもっと密に自然と関わっていた時代から、脈々と受け継がれる人間の本能を感じさせてくれます。
 例えば、雨が降る。葉っぱが重なっている。蔦が伸びる。水が流れる。太陽が輝く、など。
 当たり前で、でも大切な事を、なるべくシンプルに布に写す事ができたらと思いながら制作を続けています。緑の棚田に佇むピンクの衣服をまとったあの日の彼女達の姿のように、周囲の風景からパッと目をひくような色の鮮やかさも大切にしました。
 FABRIC CARAVANを手に取ってくださる方に少しでも私が旅から得た感動をお裾分けする事ができたら幸いです」(木下さん)

TSUKI TO AME JG50700-1 綿麻キャンバス
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山、月、雨の重なった柄。こちらはYURUTAOでも人気の定番柄をアレンジしました。
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ちいさなハンドメイド雑貨ーちっちゃい.展ー

雲ひとつない青空が広がった金曜日。いちはやく春の訪れを感じながら、「第3回 ちっちゃい.展」に足を運びました。会場は東急東横線・都立大学駅からほど近いGallery KOMPIS。
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主催はちっちゃいものが大好きなハンドメイド作家が集まった“ちっちゃいものくらぶ”。今回は総勢16名もの作家の作品が一堂に会しました。布雑貨、プリザーブドフラワー、レース編みのアクセサリーなど、会場には、ちいさいものがいっぱい。それぞれ趣向を凝らしたディスプレイでお客様をお迎えしていました。

まず探したのは、コッカファブリックのcraft&sewingでおなじみの田巻由衣さんの作品。
田巻さんは、2015年最もビューの多かった作品1位に輝いたワイヤーポーチを作ってくれた作家さんです。彼女の作品の代表作ともいえるシューズ形プチポーチが、ありました、ありました。
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ストライプやドットなど、定番のプリント地はグレイやネイビーのシックなトーン。リボンのチャームでちょっぴり可愛らしさをプラスするさじ加減はさすがのセンスです。リップクリームやお薬などを入れるのにちょうどよいサイズ。ナスカンつきなのでバッグチャームにもなります。

こちらは革のミニチュア・アクセサリーを作っているnap*さんの作品です。
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nap*さんといえば、”革のちっちゃい靴”が代表作。今回の展示でもファンの期待どおり、たくさんの“革靴”がお目見えしていました。フェミニンな大人靴からアウトドア系のざっくりサンダルまで、バリエーションの豊かさに感服。ひとつずつ集めてコレクションボードを作りたくなります。

ディスプレイの素晴らしさに思わず釘付けになってしまったのは、a piece of dreamのhanaさんのコーナー。
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植物を育てたり、飾ったりするのが大好きだというhanaさん。Green雑貨と名付けられたその作品たちの、なんと美しいこと! 多肉植物のアレンジメントにちょこっとちいさなクラフトがプラスされていたり……。作ることが大好き!というhanaさんの楽しい気持ちが伝わってきます。
手前に飾られているのは、“野の花アクセサリー”。お庭に咲いた花やお散歩中に出会った花などを押し花やドライフラワーにしてアクセサリーに仕立てているそう。hanaさんの手によって引き寄せられた植物のパワーがぎゅっとつまった素敵な作品たち。身につけるだけで、そばにあるだけで、元気をもらえそうですね。

”お花×ちっちゃい”の相性の良さを改めて実感できるのも「ちっちゃい.展」ならではの楽しみです。こちらは、フラワー雑貨・アクセサリーを作っているfu~ren*(フーレン)のasukaさんと、食器や小物が大人気の陶器の作家、mika hiranoさんとのコラボ作品。
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花材選びのひとつひとつにasukaさんのお人柄が感じられるやさしいトーンのアレンジメント。忙しく過ぎていく日々のなかで、つい忘れがちな穏やかな気持ちを思い出させてくれそうです。

こちらのマチ針は、ガラス雑貨の彩り工房・澤(たく)さんの作品。ちっちゃなピンクッションはtournesol*のSatominさんの作品です。
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ガラスを溶かして雑貨やアクセサリーを作っている澤さん。独学で覚えたというから驚きです。動物や小鳥、スイーツなど種類もいろいろ。こんなに可愛いマチ針があったら、毎日のお裁縫も楽しくなりそうですね。バッグ型のピンクッションも小花柄のプリントがとってもキュート。「マチ針を刺して飾っておくのに楽しくなるような、そんな布合わせをしてみました」とSatominさん。

会場には、まだまだちいさくて素敵なものがたくさん。
気になる方は、ぜひちっちゃいものくらぶのブログを見てみてくださいね。今回参加した16名の作家さんのプロフィールが紹介されています。
ちっちゃいものくらぶのブログ:http://chicchaine.exblog.jp/25003397/

「第3回 ちっちゃい.展」は、3月4日(金)、5日(土)の2日間。5日は午後16時までの開催です。