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バッグづくりの楽しみ

先週のInspirationで「作ってみたい布小物の筆頭といえば、やはりバッグ」ということで、革持ち手クリップのミニトートをご紹介しましたが、今週も引き続きバッグのお話です。

今週登場するのは、ハンドメイド作家で人気ブロガーのneige+こと猪俣友紀さんの作品です。こちらは冬にぴったりのファーを使ったトートバッグ。
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「底が楕円底になっていて、見た目以上に容量があり、ちょっとしたおでかけに最適。ジャケットなどに使われるニットキルトの素材を使い、さらにファーで季節感を出したことがポイントです♪ 持っていてワクワクするお気に入りのデザインです」(猪俣さん)

おしゃれで可愛いバッグに多くのファンを持つ猪俣さんですが、そのインスピレーションの源は、やっぱり布。

「生地を見てデザインが浮かんだら、もう迷わず布を買います! その場合は買ったらできるだけ記憶が新しいうちに形にするように心がけています」

バッグのデザインが先に浮かんだときは、ささっとスケッチして、そこにどんな生地が合うかを探すこともあるそう。
「言葉で説明するのは難しいのですが、バッグの形がふわ~っと浮かんでくるのです。そのイメージに合った生地を探していても、別の素敵な生地を見つけたら、全く違うものになることもあったり……。ちょっと意外な組み合わせで布を合わせて見たとき、フッと頭に新しいデザインが浮かんでくることもあります」

柄や色だけなく、季節や用途に合わせて素材を吟味するのも楽しい作業だそう。
こちらのポシェットで使った布は、ビニールコーティング。
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「雨に濡れても大丈夫なビニールコーティングの素材で作りました。中身の小分け収納ができるよう、前面にポケットをつけたのもポイントです。平面で作る形に少しタックを加えたことで、ぷっくりと愛らしい形に仕上がりました」

ビニールコーティング布を主役にしたラブリーなトートバッグも。
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「スクエア型のビニコトートは、ワンランク上を目指した作り方で少し高度になりますが、雨の日にお出かけするときに中身が濡れず、さらにバッグ口がファスナーで閉じられます」
これはまさに上級者のテクニックですね!

気に入ったデザインができあがると、いろいろな素材や色で試してみるのもバッグづくりの楽しみだという猪俣さん。とくにマルシェバッグは大のお気に入りだそう。
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「カラー帆布で作るマルシェバッグは、生地の色や形が変わることで表情がどのくらい変わるのかを試した作品です。同じ型紙から少し手を加えただけなのに、こんなにも違いが♪元々の形が可愛いので、どちらになっても嬉しい形になりました。作るのが楽しくなる形です」

猪俣さんが、バッグづくりで一番大切にしていることは、「普段使いしやすい形」。
「そこにプラスしていくのが機能性だったりデザインだったりします。自分が普段使わない、持ち歩きそうにないものはあまり作ることがありません。作りやすさ、使いやすさを一番重視しています」

そんな猪俣さんの会心の作がぎゅっとつまった本『布あわせで楽しむワンランク上の布バッグ』がこのたび発売されたそう。こちらの本では、基礎的な縫い方のコツも紹介していて、ビギナーさんでも順を追って進めていけば、“ワンランク上”の作品が作れるように……。バッグづくり愛好家必携の一冊になりそうですね!

猪俣さんのブログ「neige+ 手作りのある暮らし」はこちら。: http://yunyuns.exblog.jp