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ハンドメイドの聖地  カリフォルニアの2大クラフトイベント

「スタッフコラム」では、コッカファブリックの運営スタッフがキャッチした気になるモノ・コト・スタイルをお届けしています。第4回目は、英語サイトを担当するアメリカ・ロサンジェルス在住のスタッフが取材したクラフトイベントのストーリーです。

伝統的なクラフトが若い世代を中心に再燃!

キルトやバスケットウィービング、ウッドやレザーワーク、クロシェなど、アメリカには連綿と受け継がれているクラフト文化があります。その伝統は今も息づき、現代的なアレンジや新しい手仕事と混ざり合いながら進化し続けてきました。2019年末から数年間続いたコロナ禍で“おうち時間”が増えたこともきっかけとなり、古着をリメイクしたパッチワークや刺繍をはじめ、ソイキャンドルやレジンアート、クロシェやマクラメ、ビーズアクセサリーなどが若い世代を中心に再び注目されています。SNSで作品を発信するなど、小さなビジネスを始める人も急増。“世界にひとつだけ”という価値観やサステナブルな意識とともに、自由で個性的な文化として広がっています。ハンドメイト作品を発表する多彩なイベントもその特徴です。

ブームの火付け役は二コル・スティーブンソンさん

ここ南カリフォルニアは、ハンドメイドを愛する人にとって理想的な場所。クリエイターが作品を発表し、クラフトファンが作品を気軽に手に入れることができる様々なイベントが開催されています。今回取材した2つイベントは「自分の好きなものを形にしたい」という純粋な情熱を持ったクリエイターたちをつなぐ場として、自身もアーティストである二コル・スティーブンソンさんという女性の思いが実って誕生しました。

Photo courtesy of Dear Handmade Life

24歳で手作りアパレルブランド「Random Nicole」を立ち上げた二コルさん。自身のブランドの商品はやがて世界250店舗以上で展開されるようになり、それは“好き”を仕事に変えてきた彼女の歩みの原点となりました。現在は、クリエイターの学びとつながりを育むことを目的に2007年に共同設立した「Dear Handmade Life」のCEO兼クリエイティブ・ディレクターとして、イベントやワークショップ、ブログ、ポッドキャストを通じて、ものづくりを愛する人たちが自分らしいクリエイティブライフを築くお手伝いをしています。

今回、ニコルさんのイベントを紹介したいと連絡したら、「実はコッカの大ファンなの。Super Buzzyというファブリックショップで出会ってその美しいデザインとクオリティの高さに一目惚れ。以来、ずっと魅了され続けているのよ」と嬉しいお返事が。ニコルさんのイベントでは、スポンサーシップという仕組みもあるそうで、「コッカの生地を使ったワークショップ」なんていう夢のコラボが近いうちに実現する日も来るかもしれません。

多彩なアーティストに出会えるパッチワーク・ショー

まずご紹介するのは「パッチワーク・ショー メーカーズ・マーケット&コミュニティ・フェスティバル」。
ロサンゼルスの南にあるサンタアナという街のとある駐車場で25の出店者のささやかなマーケットとして2007年に始まり、今では地元のクリエイターの作品、食、音楽、そして体験型クラフトを楽しめる場として、複数の都市で開催されるようになりました。

作品の売買が中心の従来のクラフト・マーケットの枠を超えたパッチワーク・ショーのキーワードは、インクルーシブ(誰でも歓迎)、クリエイティブ、コミュニティ、ローカル、そしてハンドメイド。

街ごとの個性豊かな会場では、のぞき込んだ瞬間、「え、こんなものまで手作りなの?」とつい声が漏れてしまうような作品がずらりと並んでいます。布小物やファッションアイテムはもちろん、アート、イラスト、インテリア雑貨、ペーパーグッズ、アクセサリー…ジャンルの境界なんて気にしない、作り手の“好き”がそのまま形になった世界が広がっています。

手に取ると、素材の温度や作家さんのこだわりがじんわり伝わってきて、「どうやって作ったんですか?」なんて会話が自然と生まれます。作家さん本人と直接話しながら選べるなんて、ハンドメイド好きにはたまらない時間です。

All Patchwork Show photos courtesy of Nik Vandeventer / Dear Handmade Life

そしてこのイベントが愛されている理由は、思い思いの楽しみ方ができるマーケットであるところ。時代に合った自由なスタイルで、「作り手の作品が誰かの手に渡る喜び」をみんなで分かち合う、あたたかいコミュニティがここにはあります。気づけば、あなたもきっと「行ってみたい…!」と思ってしまうはず。

クリエイターの学びの場 クラフトケーション

一点ものの作品に出合う予期せぬ発見にあふれているのがパッチワーク・ショーなら、クリエイター自身がスキルを磨くためのユニークなイベントとして注目されているのが、「クラフトケーションークリエイターのためのカンフェレンス」です。

クラフトケーションは、一言でいうとクリエイターたちの学びの場。海辺のリゾートとして人気のカリフォルニア州ベンチュラで毎年春に開催され、数日間にわたるセッションやワークショップを通して、「作品づくりのスキルアップ」と「クリエイティブビジネスの知識」を深める場として、数百人のアーティストやハンドメイド作家、デザイナーが集まります。初心者からプロまで幅広い層が参加し、毎年チケットが早期に完売するほど人気のイベントです。

なんといっても多彩なプログラムにあふれているのが魅力。体験型クラフトワークショップで手を動かす喜びを思いきり味わうだけでなく、クリエイティブを仕事にしたい人には、実践的なビジネス講座やパネルディスカッション通じて新しい視点や可能性を広げてくれるチャンスも。ビーチヨガや瞑想といったウェルネスプログラムで心を整え、夜は仲間と語り合うアフターアワーズのイベントへ。 “つくることが好き”という気持ちを中心に、学び・癒し・つながりがもたらされる“人生を変える一週間”を過ごすことのできるクラフト好きのための特別な時間がここにあるのです。

All Craftcation photos courtesy of Dear Handmade Life

パッチワーク・ショーとクラフトケーションは形こそ違いますが、どちらも手作りの世界を豊かにしてくれる大切な場。10年以上前のことですが、私自身パッチワーク・ショーで刺繍をほどこした布小物のブースを出店した経験があります。初めてのことで、思ったほど売れなかった記憶はあるものの、ブースに立ち寄ってくださった方と会話が弾んだことを今でも思い出します。そして何よりも自分の作った作品を通してコミュニティとつながる喜びを実感しました。

今後ぜひ参加してみたい!と思っているのがクラフトケーション。学ぶ時間や仲間との出会いが、創作の歩みをそっと後押ししてくれそう。今でも趣味として続けている布小物づくりや刺繍に加え、大好きなクラフトの世界をさらに広げてくれるはず、そんな気がしています。

作り手と訪れる人が自由に交流し、温かなコミュニティが育まれているのも、アメリカのクラフトシーンならではの魅力。多彩なイベントが年間を通してカリフォルニア州の各地で開催されています。南カリフォルニアらしい開放感の中で、手仕事の魅力に触れながら過ごすひとときは、まさに心満たされる時間。そんな特別な空気を味わいに、いつか旅の目的地のひとつとして加えてみてはいかがでしょうか。(取材・文 nobuko アメリカ・ロサンゼルス在住)

パッチワークショー/クラフトケーションについて

パッチワーク・ショー – メーカーズ・マーケット&コミュニティ・フェスティバル
(Patchwork Show – Makers Market & Community Festival)
その土地ならではの独創性とコミュニティの魅力にあふれ、地元のクリエイターの手づくり品のブースやクラフト体験、食、そして心地よい音楽が楽しめます。今年はカリフォルニア州内の4カ所で開催。 
https://www.patchworkshow.com/

クラフトケーション – クリエイターのためのカンフェレンス
(Craftcation-Conference For Creatives)
南カリフォルニアの海辺の町・ベンチュラで開かれる、クリエイターのためのカンファレンス。数日間にわたり、作品づくりを楽しみながら表現力を高められるワークショップや、クリエイティブビジネスのヒントが得られるセッション、気軽に参加できる交流イベントやウェルネスアクティビティがそろっています。まるで“創作の合宿”に来たような、心地よく刺激的な時間が流れます。
https://www.craftcationconference.com/

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