からりと晴れて、夜は涼しいー。
蒸し暑い夏が来る前に、風薫る初夏のひとときを満喫しようと、この季節は各地でイベントや作品展が目白押し。
布にまつわる素敵なイベントはないかな〜と足を運んだのが、Nutel exhibition「コトリ展」です。
Nutelと書いて、ヌーテル。つまり「縫うてる」。滋賀県の方言で「縫う」ことなんだそう。
デザイナーの渡邊さんは、2003年からミシンを使ってペーパーや布に絵を描くミシンドローイングを始めました。植物や動物、小鳥など、フリーハンドステッチでオーガニックな世界を次々と生み出しています。
東京の作品展に先立ち、今年4月、渡邊さんは鹿児島市のギャラリー、「レトロフト Museo」で「ことばの植物図鑑」という作品展を開きました。
「友人、知人に呼びかけて、古典や小説、童話などに登場する植物を集めました。90種類くらい集まったんですよ。その植物を〝採取″した『ことばの植物図鑑』をもとに、標本を作るように古書にミシンステッチで縫い描いていきました」(渡邊さん)。
会期中は、音楽に合わせてミシンで縫い描く「ライブソーイング」も開催。ミュージック×ソーイングの意外なコラボレーションがとても新鮮だったそう。
先週から始まった東京の作品展会場は、中央区新富町にある生活こっとうのお店「さんのはち」。オーナーの森田さんが小鳥好きということもあり、こちらは小鳥がテーマ。壁面に飾られた植物のドローイングとゆるやかに交じり合いながら、小鳥たちがゆらゆらと舞っています。
会場にはバッグやブローチ、ボタンなど小鳥モチーフの布小物もいっぱい。
くるんとひもで巻いてとめるポーチは、ミニクラッチとしても活躍しそう。一羽ずつ同じようで違う姿をしています。
こちらは巾着ポシェット。斜めがけして持つのにちょうどいい大きさです。
ひとつずつ絵が違うくるみボタン。真っ白いシャツのアクセントにしたら素敵かなあと。
「鳥の顔だけどんどん描いていたとき、おばあちゃんに『そんなに作って何に使うん? ブローチにするの?』って聞かれ、あ、ブローチ、それもいいかも……と思ってできあがったんです」(渡邊さん)
「コトリ展」は5月21日まで。なんと17日にはライブソーイングも開催するそう。
「イギリスのブリストルを拠点に活動するWill Newsomeさんとのコラボレーションです。アフリカの弦楽器Kora(コラ)などの演奏に合わせて、即興でミシンドローイングを行ないます!」(渡邊さん)
こじんまりとした心地よい空間で、ゆっくり小鳥たちと戯れるのもよし、ライブソーイングで盛り上がるのもよし。
糸が紡ぎ出すファンタジックな世界をのぞいてみませんか?
Nuel渡邊笑理さんのホームページ:http://nutel.jp
さんのはちのホームページ:http://3no8.jimdo.com