「KOKKA×未来のテキスタイルデザイナーというフィールドへ」をコンセプトに隔年で開催しているコッカプリントテキスタイル賞『inspiration』。7月30日に第4回の受賞者を発表しましたが、8月22日、授賞式が開かれました。今回はその様子をお伝えします。
授賞式の会場になったのは、東京・ 代々木上原のcase ギャラリー。
白壁の広い空間に受賞作品が展示されました。正面の壁・左側が、グランプリを受賞した大道くららさんの作品。右側は、準グランプリを受賞した坂本あこさんの作品です。
こちらは佳作に入選した作品。左から、谷藤 萌惟さん、山本 遥さん、古田 千咲さんの作品。
こちらも佳作入選作品。左から、福川原 季里さん、MAKINANOさん、Darings(寵児)さん、森田 陽子さんの作品です。
授賞式は株式会社コッカの岡田社長の挨拶から始まりました。
「このコンテストを通じて、日本のテキスタイル業界を盛り上げていきたい。テキスタイルに興味のある学生や、異業種の方々もどんどん応募してほしい」と熱っぽく語りました。
続いて審査員を代表して、飛田正浩さん、有田昌史さんのスピーチ。写真は飛田さん。今回の応募作品を振り返り、「そろそろ内面を出していかないといけない時代になったのかなあと思います」と、しみじみ。そして、「選考時に大切にしたのは、不器用なんだけれど、自分を伝えようとしているかどうか。それは、好きな人に想いを伝えようとする恋愛に似ている」と、思いがけず恋愛が引き合いに。この話には会場の皆さんも興味津々でした。
続いて有田さん。「応募作品は回を重ねるにつれ、どんどん成熟した形になってきていると思います」との評。「布の魅力のひとつに「まとう」ということがあり、生活のなかで布ならではの広がりかたをする」と述べ、その特性を「醗酵」という言葉で表現されたのは印象的でした。
作品と一緒に送った応募用紙には「心に唱える問いかけによって描かれる心模様を染め上げ、縫い込めたい」と綴った大道さん。受賞式では、「(さまざまな出来事に)直感を働かせて、心の動きに敏感になって、自分の中にも敏感にセンサーを見つけられるようになりたい」と語ってくれました。
こちらは大道さんの応募時のポートフォリオ。
「裏山の正面」、「おたまじゃくしって言ってみて」など、ユニークなタイトルは、「短歌を詠んでいます」と聞いて納得。言葉が先に浮かび、それからテキスタイルを考えることもあるそう。
こちらは準グランプリを受賞した坂本あこさん。
パンが大好きでいろいろと食べ歩きをしているという坂本さんらしい美味しそうなテキスタイル。会場に飾られた「カンパーニュ」のデザインのほか、ポートフォリオには、「クリームパン」や「カレーパン」などもありました。
授賞式の最後にみなさんで記念撮影。
このあとギャラリーは、祝賀会場に早変わり。caseギャラリーさん特製の美味しいお料理がふるまわれ、初対面同士の方が多いなか、テキスタイルを”肴”に、審査員も受賞者も大いに盛り上がりました。