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布の作り手と使い手が集う場所 布博 in 東京 2016

布の作り手が一堂に会して自ら生地や製品を売るイベント、布博。このコーナーでも2014年の布博をレポートしましたが、今年は規模を大きく拡大。「布博 in 東京 vol.6」では80組を超える出展者が参加して大盛り上がり。布のほか、アクセサリーや刺繡、ニットの出展者も登場し、同時開催としてボタンや靴下もあったり……。まさに、布好き・手芸好きには楽しいことずくめのイベントでした!

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コッカファブリックでおなじみのデザイナーの面々も出展していましたよ。
上の写真でもひときわ目立っていたのでは、Törten(テルテン)のデザイナー、紙野夏紀さんのブース。紙野さんは第3回コッカプリントテキスタイル『inspiration』の大賞を受賞し、2015年2月、期待のニューブランドTörten(テルテン)としてデビューを飾りました。ちぎり絵を取り入れた制作スタイルで、独特の世界観を表現し、登場して以来、大人気に。この布博でその第2弾が披露されていました。

CINEMAというタイトルがつけられたこの布は、一幅の絵画のような美しい景色が広がっています。
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布いっぱいにストーリーを繰り広げるのがテキスタイルデザインの醍醐味であるならば、それを切り取って独自の世界が作れるのが製品の面白さです。同じ布でも切り取り方でこんなに印象が異なるクラッチポーチができるのですね。
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そして、こちらは古家悦子さんデザインのechino。やっぱり人気なのはカットクロスです。
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伊藤尚美さんのnaniIROのブースは、常に黒山の人だかり……。写真撮影もままなりませんでしたが、お客様の間をぬってようやく1カットゲット。こちらは大判ガーゼハンカチです。
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伊藤尚美さんの新刊『詩を描く』も販売。なんと布博限定で、カットクロスつきです!
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こちらは木下桃子さんデザインの「FABRIC CARAVAN BY YURTAO」です。
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あら、どこか見覚えのあるこのパンの布は……?
第4回コッカプリントテキスタイル賞で準グランプリを受賞した坂本あこさんではありませんか!
今年、東京造形大学テキスタイル専攻の大学院を修了する坂本さん、卒業後はデザイナーとして独立して活動するそうで、自身が大好きな食にちなみ「gochisou」(ごちそう)というブランドを立ち上げました。布博では布のほか、バッグやエプロンなどの製品も発表。斬新でユニーク、だけどどこか愛らしい……。坂本さんの明るい人柄が伝わってくるほのぼのとした空間でした。
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3/10(木)〜14(月)まで、東京・表参道の「スパイラルガーデン」で、東京造形大学テキスタイル専攻の有志卒業・修了制作展2016[TEQUILA]が開催中です。学部生、大学院生の力の入った作品が勢揃い。スパイラルガーデンの高い天井から布が飾られている様子は圧巻です。
写真は、坂本さんの卒業制作「yaso market」。
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次回のこのコーナーでは、坂本あこさんの作品を引き続きお届けしますので、お楽しみに!