Inspiration file62
布の作り手に出会う楽しみ 布博

ここ数年、ハンドメイド雑貨を販売するイベントが盛り上がっていますよね。
そのなかでも、「布」にフォーカスしたユニークなイベント、「布博」(ぬのはく)をご存知ですか? クリエイターやテキスタイルデザイナーたちが、自らブースに立って販売するという、布好きさんにはたまらないイベントなのです。

8月22日から3日間。東京・町田市で布博が始まりました。今回はその様子をお話しします。
in62_1

会場の入り口を入ってすぐ、鮮やかなイエローの布が目に飛び込んできました。
これは! 本サイトで4月にご紹介したJUBILEEです。ブースに立っているのはデザイナーのシミズダニヤスノブさんご本人ではありませんか! わぁ〜感激!

in62_2
JUBILEEは「プリントデザインからはじまるモノづくり」をコンセプトとしたブランド。会場に並んでいた布は、シミズダニさん自らが染工場で染料を作り、手捺染(てなっせん)と呼ばれる手法で染めているもの。

会場では、シミズダニさんが染工場で染めている作業風景のムービーも上映されていました。
in62_3

ヘラを使いながら大きな型枠に1色ずつ手作業で布地に染料を刷りつけていくシミズダニさん。染料が飛び散ったTシャツ姿で汗だくになりながら、よどみなく刷り上げていく姿は、デザイナーというよりは、まるで職人さんのよう。映像を見終わった後に、もう一度その布に触れたくなって、再びブースへ…。制作の背景が見えてくると、不思議なものでいっそう愛着がわいてきます。

シミズダニさんが染め上げた布は、バッグやストールなどさまざまなプロダクトに姿を変えて、使い手のもとに旅立とうとしています!
in62_6in62_5JPGin62_4in62_6b

布博の出展者数は約40組。入り口には、こんなおしゃれな立体案内マップがありました。それぞれのカップの横には出展者のブランド名が、そしてそれぞれの布がアイス(?)になっているという、何とも心にくい演出。
in62_7

テキスタイルブランドは全部で11組。とりわけ目を引いたのがトモタケさんのブースです。印象的な動物クッションに吸い寄せられてしまいました(笑)。
in62_8in62_9

トモタケさんは、主に泥染めという手法で布づくりをしているそうなのですが、今回の展示会では、泥染めアイテムはもちろん、泥染めの図案を元にデザインを手がけているプリント生地も並んでいました。
こちらは、泥染めの図案を元にデザインを手がけているプリント生地、「MUDDY WORKS」の第三弾の新柄。一般の店頭販売に先駆けて「布博」で発表。
in62_10

ひっきりなしにお客様が訪れ、布のカットに大忙しのデザイナーの朝武雅裕さん。
in62_11

泥染めの布地に刺繍を施したコースター。
in62_12

メイン会場のほかに、別フロアで「ブローチ博」というイベントもやっていました。写真はそこで見つけたとっても可愛いブローチ。「conomi」というブランドで、作家は、このみえりさん。フランス留学時代にステイ先のおばあちゃんから教わった「かぎ針編み」の手法で一点一点、手作りしています。ブローチと一体になったイラストレーションの台紙にも心奪われました…! このイラストレーションは、押し花作家でもある森野美紗子さんが描いているそう。
in62_13

布博は、8月23日(土曜日)、24日(日曜日)も開催されています。今週末の楽しみに足を運んでみませんか? 好みの布との一期一会の出会いがあるかもしれないし、作家さん自らがデザインしたバッグや洋服からは、「あ、この布はこんなふうに使うと素敵♩」なんて、日々の手作りのヒントが見つかるかもしれませんよ。