紫やオレンジ、ブルー、ビビッドな色が織りなす独特の世界観が魅力のechino(エチノ)は、コッカファブリックのなかでも人気のシリーズ。なんと今年で10年目というロングセラーのブランドなのです。
生地屋さんでもすっかりおなじみになったエチノですが、写真の投稿サイト、flickrをのぞいてみると、じつにたくさんのソーイング愛好家たちがエチノ作品をアップしていることに驚きます。
写真のリュックは、そんなエチノファンのひとり、清水佳代さんの作品です。清水さんは、パタンナー経験もあるソーイング上級者。このリュックは友人のリクエストで製作したものだそう。
「この生地の色合いがとても綺麗で、気に入っていました。柄で言いますと・・・ベージュ地に赤のアジサイのような花があるところ。それを生かす対色のブルーがそばにあるのもとても印象的です」(清水さん)
カラフルな’エチノの森’に動物たちが見え隠れ。そんな総柄のデザインを活かして、動物たちを見せたい部分に配置していくのも作品づくりの面白さです。清水さんの場合は、前ポケットの動物がその’見せ場’。
「友人からの希望の一つが”前ポケットを付けて欲しい!”でした。前ポッケに上向きの動物がピッタリハマって絵になりそうだったから。これが、この生地にした一番の理由です。ポケットの形も柄を生かす形で考えました。背中には親豹をちょうどいい感じに入れることができました」(清水さん)
じつはリュックを製作するのは初めてだったという清水さん、7個くらいいろんなリュックを並べて、その仕様を見ながらデザインを考えたそう。
「クタクタの”手作り!”っ てリュックにしたくなかったので、外側生地と内側生地の内側に、サンドイッチする形で しっかり目の生地を挟んで自立するようにしました。背中に当たる部分と底は、厚い綿を入れてキルティング加工をミシンで施しています。肩に当たる紐の部分は、市販のモノはフワフワしているので、いろいろと材料を探し、座布団用の厚さ2.3㎝くらいのクッションを入れています。これだけ厚さのあるものにミシンを掛けるのはとても大変でした。あれこれ試した結果、仮ミシンで厚さを抑えてから最終的に糸を抜くという形になりました」(清水さん)
作品全体のアクセントになっているのが、ファスナーのピンク。「市販でなかなか発色良い色がないので、ファスナーも直営で扱ってほしいくらい」(清水さん)。そうなのです、エチノカラーは独特の色彩なので、ぴったりはまる市販の副資材を見つけるのが、なかなか難しい・・・。ファスナーやボタンなど、作品のアクセントになる副資材は、これから充実させていきたいものです。
工夫がいっぱいのリュック。これから暖かくなる季節に出番が多くなりそうですね。