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Sas and Yoshさん(アーティスト/イラストレーター)

にぎやかな柄を生みだすパワフルデュオ

2016年3月のtextile storyのコーナーでご紹介したSas and Yosh Textile(サス アンド ヨシュ テキスタイル)。こちらのテキスタイルを手がけたのが、イギリス在住のアーティスト/イラストレーター、Sarah BellisarioさんとYoshie Allanさんのコラボレーションデュオです。
Sas and Yoshは、2014年から活動をスタート。現在、ファッションテキスタイルからインテリア雑貨、ステーショナリー、ウォールペーパーにいたるまで、毎日をカラフルに楽しくするアイテムを続々と発表しています。テキスタイル同様、エネルギッシュなお二人に、布ができるまでのプロダクトストーリーや日々の暮らしについてお話を伺いました。
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Kokka-fabric.com (コッカファブリックドットコム 以下、KF)お二人はご近所さんだったそうですが、どんなふうに出会ったのですか?

2011年にYoshが日本から、イギリス人の夫と長男と London に近いこの Hitchin の街に移住してきて、その後長女も誕生してからこちらを拠点にイラストレーター/アーティスト活動を本格的に再開したんです。Yoshの長男が小学校に通い始めてしばらくした頃、友人が彼女の子どもの通う小学校にもイラストレーターのママ (Sas) がいるから会ってみたら! と。二人はもちろん、紹介してくれた友人も、まさかそのすぐ後にSas and Yoshが生まれるとは想像もしていませんでした!

(KF) 「二人でコラボレーションしたらすごく面白そう!」ということでデュオを結成されたそうですが、お互い、相手のどんなところに惹かれたのですか?

(Sas) 私は自分の作品の色使いと同じくらい Yosh の色遊びと柄使いのセンスが大好き! 彼女がいつもたくさんの異なる素材を自由にデザインに取り入れるところも。Yoshのドローイングは独特の雰囲気を持つキャラクターたちと遊び心で満ちているし、彼女の頭には新しいアイディアがいつも湧き出ていて、それを見事な色使いでひとつのデザインに仕上げるところも一緒に仕事していてワクワクします。

(Yosh) 私はSasのドローイングとインクを混ぜた色使いの大ファン! 繊細な線で描くキャラクターたちや動物、草花や自然のモチーフはどれもディティールまで個性的で、独特で、見ていてクスッと楽しくなったり、そこから新しい物語がはじまっていくようなインスピレーションをもらえる。彼女の描いたモチーフたちと自分の描いた柄を融合させるコラージュのような作業も毎回とっても楽しいんです。

(KF)お二人は、常に一緒にパターンやデザインを考えるそうですね。お二人の作風は異なると思うのですが、それをひとつに融合させていくのは、第三者から想像すると難しいように思うのですが、そんなことはないのですか?

二人でコラボレーションでデザインを制作するのと同じくらい、 クライアントや他のクリエイターとのコラボレーションも私たちは大好きです。
クライアントの希望のテーマやイメージを聞いて、まずはSasとYoshそれぞれに浮かんだイメージやモチーフをラフスケッチして見せ合い、さらに新しく浮かんだデザインやパターン図案のアイディアなどをあれこれ試してみます。そしてできた最初のイメージをクライアントに見てもらって意見や希望をさらに聞いて、GO ! となったら実際のデザイン制作と色付けに取りかかります。
Sasがドローイングのほとんどを担当して Yosh がリピート柄制作と色・コラージュ素材を使った色付けをすることもあれば、その逆もあります。制作過程でも何度も二人でチェックするので、ここにこういう色も入れたら? とか、むしろこういうデザインにしてもいいんじゃない? とか話し合いながら進めるうちにまた混じり合って変化して……。二人の作品は、タッチも使う画材や素材も違うのですが、逆にそれがSas and Yoshのデザインをするうえではプラスに働くようで、それぞれの世界観のいいとこ取りもしつつ、Sas and Yoshならではの新しいスタイルに仕上がるので、その作業は難しいどころか自然でとても楽しいです! 新しいアイディアがあれば2人とも柔軟に取り入れようとするので、意見が変なふうにぶつかり合うこともめったにないですね。

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(KF)Sas and Yoshは、ステーショナリー、インテリア雑貨やファッションブランドなどで、イラストレーションを手がけていらっしゃいます。KOKKAでテキスタイルを手がけるようになったきっかけは何だったのですか?

KOKKAとは、以前、Yoshが日本で ‘miriporun (ミリポルン)’ というプリント生地コレクションを発表させていただいたことがありました。UKでSas and Yoshとしてウォールペーパーやファッションブランドのためのテキスタイルデザインを始めた頃、KOKKAのホームソーイング生地で、Sas and Yoshのイラストレーションとデザインを使ったコレクションもぜひ一緒に作りたい!と思って 担当さんにデザインサンプルを見せて熱烈にアタックしました(笑)。今回実現できてとっても嬉しいです。

(KF)今回のシリーズ、テーマは ‘The world of happy confusion’ということですが、このテーマやそれぞれの柄のコンセプトはどのように決めていったのでしょう?

今回は KOKKA の担当さんとも話し合い、たくさんあるSas and Yoshのイラストモチーフやデザインアイディアの中から特にみなさんに人気の高いモチーフ ‘自然や動物’ を使ったものにテーマを絞りました。柄は、Sas and Yoshのブランドロゴでもある2羽の小鳥たちが ポルカドット柄の中でにぎやかにおしゃべりをしているもの (Sweetie Tweetie)、カラフルなサーカスの動物や小人のキャラクターたちが大集合した柄 (Circus of Wonders)、色とりどりのインクで描いた小さなチョウたちをノスタルジックな草花の野原に散りばめた柄 (Spring Explorers)、Sas and Yosh も大好きなモチーフ 「不思議の国のアリス」のイラストをトランプのマーク柄の背景と合わせてノスタルジックでレトロな雰囲気に仕上げた柄 (Down the Rabbit Hole) の4柄のバリエーションで発表しました。
陽気な春の庭で、 ちょっと妖しい月夜の庭で、 動物や虫、小人たちが繰り広げるにぎやかな世界。サーカスに、色とりどりの羽が舞うダンス、おかしなお茶会と 終わらないおしゃべり……。人間たちはまだ気づいていない、ドタバタと楽しい秘密の世界へようこそ! というイメージから、テーマは ‘The world of happy confusion’ にしました。

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(KF)布にイラストレーションをのせるという創作は、紙や雑貨とどのように違うと感じましたか?

紙に印刷する場合と比べると、生地にのせるイラストレーションの制作にはいろいろ気を遣う点はあります。 細すぎる線の絵だと生地にプリントした時にかすれてしまったり、逆に濃い色を多用するとにじんだり、生地によって指定した色の出方も変わるし、細かすぎる柄だとつぶれて見えたり……などなど。でもその分、サンプルを数回チェックして この色合いとイラストのディティール、まさに欲しかった感じ! というのに当たった時のうれしさは、紙と同じ。もしかしたらそれ以上かもしれません!?

(KF)今回のシリーズを手がけるなかで、面白かった点、難しさを感じた点、苦労したエピソード、笑い話など、制作秘話をいろいろ聞かせください!

制作の過程はとても順調で、ワクワクしながら生地の完成を迎えることができました。唯一困った?ことは、このシリーズのデザインを進めている途中にまた新しいアイディアがSas と Yoshの頭に次々に浮かんできて、こんな柄もあんな柄やりたいよねー! とよく仕事中に脱線してしまっていたことですかね(笑)。あと、色のバリエーションを絞らなければいけない時には、数多く出した色案のサンプルの前で2人でものすごく悩みました。

(KF)日々の創作スタイル、毎日の生活はどんな感じなのですか?

Sasには現在小学2年生の、Yosh には小学1年生と幼稚園児の子どもがいるので、日々の仕事時間はかなり限られています。だいたい毎日、子どもを学校に送り届けてからそれぞれの家で仕事しながらオンラインチャットや電話でやり取りしてデザイン作業を進めているうちに、いつもあっというまに子どもの学校のお迎え時間。あとは夜、子どもが寝てからさらに作業を進めることも多いです。子どもたちの学校の放課後クラブがある週2日は、Sas and Yosh が長時間仕事をできる日なので、どちらかの家で一緒に作業をします。クライアントとのミーティングや London のデザインショーやリサーチに出ることもあります。一緒に仕事をしていない時は、それぞれが出かけた場所で見た素敵な物とかデザインとか、友人とのおしゃべりから得たインスピレーションとか、趣味とか、日々いろいろなところで 楽しいアイディアソースを見つけては共有しています。Sas and Yosh の Instagram では、そんなインスピレーションの一部も日々公開中なので、のぞいてみてくださいね。 https://www.instagram.com/sasandyosh/

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(こちらは、築500年の Sas の家。最近 3階に、Sas and Yosh の仕事スペースを広げる改装が終わったばかりです!)

(KF)最近、気になっていること(もの)は何でしょう?

(Sas) いろいろな国へ旅行することと、面白いキャラクターの登場する本を読むこと。かっこいい’vertigo’ のグラフィックノベルや、美しい絵本たち。他には、いまヨガと大人のバレエクラスに夢中!毎週通っています。美味しいパイやデザート作りも好き。映画もいろいろ気になりますが、永遠にいちばんのお気に入りの映画はウェス・アンダーソン監督の映画 ‘ザ・ロイヤル・テネンバウムズ’ !

( Yosh ) アンティークマーケットや地元のガラクタ市、チャリティショップなどでの素敵な鏡探し。家の廊下中をいろんな時代・色・サイズの鏡で埋めつくしたくてこつこつ集め中なので。それから、うちにある家具を違う色に塗り替えたり、カーテンやクッションなどを好きな柄の布で作り替えたりするのも好き。いままで興味がなかった多肉植物の素敵さにも最近目覚めて、少しずつ増やしてます。あとは最近犬と暮らしはじめたので、犬と行ける街のカフェも気になる。いろいろな国にも旅行に行きたいですが、今住んでいるイギリスの行ったことのない場所にもどんどん出かけたいなと思っています。

(KF) これからやってみたいことは何ですか?

これからもいろいろなジャンルのクリエイターとSas and Yoshの刺激的なコラボレーションをして、世界中のみなさんにお届けしていきます! キッズからアダルトまでのファッションのテキスタイルデザインや、インテリア雑貨やステーショナリーコレクションなど、毎日をカラフルに楽しくするアイテムも今後続々と発表していく予定。また、最近 UK の新生児医療病棟で手がけた 13m の大きなイラストレーションウォールペーパーがみなさんに笑顔になってもらえてとても嬉しかったので、デザインを通して地域に貢献できるような仕事もこれからもっとしていきたいなと思います。

(KF) 最後に、コッカファブリックの読者のみなさんへメッセージをお願いします!

今回 KOKKA の生地を見てSas and Yoshを知ってくださったみなさんへ。私たちのカラフルなプリント生地を使って、自由なアイディアでホームソーイングを楽しんでいただけたら嬉しいです! また近いうちに KOKKA からの新作コレクションもお届けできたらいいな。私たちのオリジナルのウォールペーパーやインテリア雑貨コレクション、素晴らしい他のクリエイターとのコラボレーションデザインやその商品などもオフィシャルウェブサイト & オンラインショップ、www.sasandyosh.comにたくさん載せているので、みなさんも Sas and Yosh ワールドにぜひ遊びに来てくださいね! 

(KF) ありがとうございました。


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