「mizacosha(ミシャコシャ)」という活動名で、動物や植物をモチーフに作品を手がける陶芸作家の高木美咲子さん。2025年、コッカと一緒に作ったテキスタイルコレクションがデビューします。温もりあふれる作品の背景と初めての布づくりについてお話を伺いました。
小学生のときに陶芸体験をしたことがあって、そのときのことが今でも心に残っています。焼き上がるまでに時間はかかったんですが、その間のワクワク感がすごく楽しくて忘れられませんでした。もともと絵を描いたり、ものを作ったりするのが好きだったので、自然と陶芸に惹かれていった感じです。
工房を構えた初期の頃は、海外のアール・ブリュット作品や、障害のある子どもたちによる陶芸作品に影響を受けていました。また、音楽も好きだったことから、楽しさやエネルギーにあふれた作品を目指して制作していました。振り返ってみると縄文時代の作品のような雰囲気にも見えるものになっていたように思います。
使う人が楽しい気持ちになったり、お料理や後片付けの時間がちょっと嬉しくなったりするような、そんな気持ちを届けられる作品を作りたいと思っています。絵柄から物語を想像できるような楽しさも大切にしています。
ものづくりが大好きで、焼き上がりを待つワクワク感もたまらないんです。自分にとっていちばんできることは、作って誰かに喜んでもらうことだと思っていて、その喜びがあるからこそ、続けてこられたんだと思います。
初めの頃に比べて、作風はかなり変わりました。昔は抽象的な模様が多かったんですが、今は動物や人物など、はっきりしたモチーフが増えてきています。自分の生活の中で“キュン”としたことを作品に取り入れるようにもなりました。ただ、土や釉薬などの素材は、ずっと変わらず使い続けています。
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